不機嫌なジェミニ
お題は
「金と水晶のアクセサリー」

金で出来た長靴の形に水晶をちりばめたチャーム。とか、
どんぐりに見立てた水晶に金色の帽子を被せたブローチとか…10枚描いてきた。

私のデザインするアクセサリーは
成宮 仁のデザインする芸術性の高いものとは程遠い…

きっと今回もダメ…かもしれない…

とため息が出る。

コーヒーを一口飲んで頬杖をつく。

いい香りのコーヒーだな。

ホッとすると、店の中も暖かくて、のんびりする。
頬杖をついて、ボンヤリこのデザインのアクセサリーを付けるのはどんな人かなあなど、想像してみる。
だんだん視界が狭くなる。

眠い…






トンッと指でテーブルを叩く音がして、

ハッと目が覚める。いつの間にかテーブルに伏せて眠っていたみたいだ。

いけない!寝てた!

慌ててスマホを見ると面接時間の5分前だ。
ヤバい!!

面接もせずに落ちるわけにはいかないでしょ。

私はデザイン画をバッグに突っ込み、慌ただしくお金を払うと、

喫茶店を飛び出した。


やっぱりツイテナイ…

早く着いたのにこんな事で遅刻しそうだなんて…



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