不機嫌なジェミニ
香澄に言われたけど、やっぱりお風呂の中で泣いてしまった。

他に恋人がいるのか聞くのを忘れたんじゃなくて
聞かなかっただけだって…

怖くて聞かなかっただけだって自分で気づいてる。

私は卑怯だ。
私がジンさんと付き合うことで、
他の恋人が傷つくのかもしれないって
…気づいていたのに

ジンさんに好きだと言われたら、
嬉しくて…
ジンさんが望むならなんでも差し出したくて…
もっと近づきたくて、愛されたくて、
ジンさんが全部欲しくて抱かれたのはわかってる。

こんな事は長く続かない。

きちんと聞かなければ…
そして…
どうするか考えなければ…

そうじゃない。

ジンさんに他に恋人がいるなら…

私達の関係はおしまいにしなければならない。

だって…

割り切った関係を望んでも、きっと私は全部欲しくなってしまう。

あの笑顔も、強く抱きしめる腕も、広い暖かい胸も…

誰にも渡したくないって

そう思ってしまうから…


独占欲。

私はやっと本当の恋を知ってしまったのかもしれない。


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