不機嫌なジェミニ
社員証を4階の入り口で押し当て、
5階まで中の階段を上がると、(いつもエレベーターを待たずに階段を使う。)ジンさんが階段の途中で、電話をかけていた
私は声を出さずに頭を下げ通り過ぎようとすると、
クンっと背中のリュックが引っ張られる。
ジンさんが私のリュックを引っ張り、私の足を止めたのだ。
ジンさんは電話を切り、
私に向き直る。
「おはよう。トウコ。黙って通り過ぎようっていうのは見過ごせないな。」とにっこり笑いかけてくるので、
「おは、おはようございます。」とペコんと頭を下げると、
「気に入らない。」と私のウエストに腕を回す。
「じ、ジンさん、ここ会社ですよ」と腕をぬけ出ようとすると、余計に肩も抱きしめられ、
顔をじっと見つめてくる。
私が顔を赤くして、
「ジンさん、おはようございます」と見つめると、クシャッと髪を撫でて
「おはよう」と柔らかく微笑んでくれたけど、
「トウコ、ネックレスつけてないの?」と不満げなようすだ。
「見えないように付けています。」と俯くと、
「外すなよ」とサッと頬に唇を付けて、階段をスタスタと降りていく。
なんだかとても愛されているような気がして、緩む頬を押さえながら階段をかけ上がった。
5階まで中の階段を上がると、(いつもエレベーターを待たずに階段を使う。)ジンさんが階段の途中で、電話をかけていた
私は声を出さずに頭を下げ通り過ぎようとすると、
クンっと背中のリュックが引っ張られる。
ジンさんが私のリュックを引っ張り、私の足を止めたのだ。
ジンさんは電話を切り、
私に向き直る。
「おはよう。トウコ。黙って通り過ぎようっていうのは見過ごせないな。」とにっこり笑いかけてくるので、
「おは、おはようございます。」とペコんと頭を下げると、
「気に入らない。」と私のウエストに腕を回す。
「じ、ジンさん、ここ会社ですよ」と腕をぬけ出ようとすると、余計に肩も抱きしめられ、
顔をじっと見つめてくる。
私が顔を赤くして、
「ジンさん、おはようございます」と見つめると、クシャッと髪を撫でて
「おはよう」と柔らかく微笑んでくれたけど、
「トウコ、ネックレスつけてないの?」と不満げなようすだ。
「見えないように付けています。」と俯くと、
「外すなよ」とサッと頬に唇を付けて、階段をスタスタと降りていく。
なんだかとても愛されているような気がして、緩む頬を押さえながら階段をかけ上がった。