不機嫌なジェミニ
お昼はまた会議室で『マッキンレー』のお弁当だ。
今日は中華弁当で、八宝菜や、春巻きやシウマイなんかが並んでいる。

「美味しい…」と少し笑顔を作ると、

「元気出して。ジンさんはモテる人だよ。でも、トウコちゃんを選んだ。
だからね、変な陰口は気にしないで…」

と隣に座った結城さんが少し微笑んでくれる。

「…はい」と言ってみるけど、

…モデルのミミさんにアヤさん。ジュンさんってアクエリアスとジェミニのモデルさんだ。
どの女性も美しく色っぽい。
…きっと…その他にも恋人がいるんだろうな…
ジンさんモテそうだし…

とつい、考えてしまう。

『私は何番目のオンナですか?』

…まだ聞けそうにない。
販売の女の子の軽口にも気分が落ち込んで行くのがわかる。

私は子どもでジンさんにふさわしくない。

そんな事は言われなくても分かってるって。


「ジュース飲みたくなっちゃった。コンビニ行ってきます。」
と私はミエミエの嘘をついて俯いて会議室を後にする。

外に出ると、涙が盛り上がってくるのがわかる。

ゴシゴシと涙を拭きながら駅前のコンビニに急ぎ足で歩いた。







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