タイムリープ
「おまたせいたしました」

若い女性店員が、赤いリボンをキュッとオレンジ色の薄い紙に結んで私に笑顔で渡した。

「ありがとうございます」

私は、薄いオレンジ色の紙に包まれた花束を受け取った。

ひまわりの香りやアジサイの香りやラベンダーの香りが、私の鼻腔をくすぐる。

「三千五百円になります」

「はい」

若い女性店員がお花の料金を電卓で計算した金額を、私は会計皿にのせて渡した。

「ありがとうございました」

若い女性店員のお礼を聞いて、私は花束を手に持って店の外に出た。
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