タイムリープ
翌日、私は午後からの講義を受けるため、午後一時三十五分に大学の講義室に入っていた。

昨日に続いて天気は悪く、どんよりとした鉛色の雲が空を覆っていた。
テレビで言っていた気象予報士によるとこの三日間は、天気が悪いらしい。

「はぁ」

なんだか六月の梅雨に戻ったみたいで、私の口から深いため息が漏れた。

昨日と違って大学の講義室には優太の姿はなく、今日は詩織と一緒だった。

「詩織、久しぶり」

私はスマートフォンをいじってる、詩織に近づいて声をかけた。

「………」

詩織はちらっと冷たい目で私を見たあと、またすぐにスマートフォンに視線を落とした。

詩織まで私に怒っているのか、なんだか昨日に続いて空気が重たく感じる。

「詩織、なんだか私に冷たくない？」

「そう？私たち、いつもこんな感じじゃん」

スマートフォンをいじりながら言った詩織の声は、やはり冷たかった。

夏休み入る前はスマートフォンをいじりながらでも楽しく喋っていたはずなのに、夏休み明けてからは、優太も詩織もなんだか私に冷たい気がする。
< 163 / 210 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop