タイムリープ
「どうして、そんなに怒ってるの?デート断ったぐらいでは、怒らないって優太言ったじゃん」

感情が高ぶった私は、つい大きな声を上げた。

「ああ、確かに言ったよ。デート断ったぐらいではなぁ」

「じゃあ、どうして?」

「デートを断ったあの日、俺、詩織と会ったんだ」

「え!」

優太のひどく小さな声を聞いて、私の背筋が一瞬冷たくなった。

詩織の姿が脳裏に浮かび上がり、私の顔色が青白くなる。

「それで、詩織となに話したの?」

私は、震えた声で訊いた。

「清水は、俺のことが好きじゃなかったのか?」

私の質問を無視して、優太が逆に質問してきた。

「好きだよ、好きに決まってるじゃない!そんなあたりまえのことよりも、私の質問に答えてよ。優太」

私は、正直に自分の思いを言った。けど、はずかしくなかった。今のこの私の想いを優太にわかってほしかった。
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