タイムリープ
「神様」

私の人生を変えた、神様を口にして呼んだ。

「なんだ?」

「私が死んだとき、優太や詩織がいる天国に連れて行ってくれる?」

「悪いことをしなかったり、自殺しなかったらな」

神様は、冷たく言った。

「そこは、嘘でも天国に行けるって言ってくれないんだね」

「ああ、嘘はつけない」

「そっか」

私は、手の甲で涙をぬぐった。

もう、十分泣いた。そして、自分は生きなくてはならないこともわかった。

「もう、時間だ」

神様がそういうと、私の体が光に包まれた。

ーーーーーーああ、もう優太や詩織たちと別れないといけない。

時間の流れが、このとき初めて残酷だと思った。
もっと一緒にいたいのに。ずっと一緒にいたいのに。優太や詩織と離れないといけない。
< 201 / 210 >

この作品をシェア

pagetop