タイムリープ
第二章 幸せはどこに
斎藤が逮捕されてから、連日同じ報道がテレビから流れている。
このニュースはテレビだけではなく、新聞の一面を飾ることにもなった。

「私、助かったんだぁ…………」

私は、液晶テレビを見ながらそう思った。

テレビ画面には若い女性アナウンサーが映っており、原稿に目を落としながらニュースを読んでいる。
もちろん、ニュースの内容は斎藤が逮捕されたことだ。

私はオーブントースターで表面だけをこんがりときつね色に焼いた、今日の朝食のトーストの上にバターをひとかけら乗せ、口に運んで食べた。
サクサクと音がし、溶け出したバターの風味が私の口の中に広がる。

「優太と詩織にも、これからも会えるんだぁ」

生きている喜びと彼らにまた会える思うと、私の瞳からうれし涙が頬を伝って流れた。

私は朝食を食べ終えた後、R大学に向かった。
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