タイムリープ
「………」

私は穿いているデニムのストレートパンツのポケットから、ピンク色のスマートフォンを取り出した。

もしかしたら違う女性かと思って、私はスマホからこの事件のことを簡単に検索した。まだ名前が一緒だっただけで、顔は違うかもしれない。微かな希望を抱いて、私はスマートフォンに視線を落とす。

「嘘……でしょ………」

私の知っている松本結衣の顔写真が、ネット上にアップされていた。

その松本結衣の顔写真は笑っており、とても殺されたとは思えない。
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