sugar & coffee
人が賑わっている方がいい、
という私の希望で、繁華街が近い私の家。
必要なものを買いに行くために、
初めて繁華街に一人で足を踏み入れる。
周りには、たくさんの、人、人、人。
色々な人の人生が、この場所で動いている。
あたりを見渡しながら
ゆったりと歩いていた私は、
前から4人の男の人が歩いてくるのが見えた。
ぶつからないように端に避けた。
はずだったのに、目の前にいる男の人たち。
「 すみません。 」
一言謝って、道を変えようとしても、
私の目の前に立ちはだかる方々。
「 ねぇ、君。一人なの?
お兄さんたちと楽しいことしない? 」
下心のこもった、嫌な声。
幼い頃から、お家のことで
媚を売られて生きてきたから、
下心には気付きやすい。
けど、慣れ親しんだ媚ではないことは
すぐに分かった。
もっと、嫌な、寒気のする下心。
「 あの、私急いでいるので… 」
そんな言い訳が通用しないことにも
気付いていたけど、必死で足掻く。
周りを見渡しても、
気付かないふりをして歩いて行く人々。
いや、身長の高い男の人4人に
囲まれているのだから、
本当に誰も気付いていないのかも知れない。
「 たすけてください… 」
私が必死で出した声は、
人々の声に掻き消された。