sugar & coffee
すごく、綺麗。
それが、率直な感想だった。
銀色の髪が、夕陽に照らされて
キラキラと輝いている。
整った顔は、気怠そうで
イラつきを隠せない表情をしている。
モデルを連想させるような
綺麗なスタイルに、
雑誌から飛び出してきたかのような
おしゃれなファッション。
どこを取っても、綺麗、その言葉が
似合う人だった。
「 はぁ 」
その人が気怠そうに吐き出したため息で
自分の置かれている状況を思い出した。
「 ダセェことしてんじゃねぇよ。
その女が嫌がってることなんて、
一瞬見たら分かんだよ。 」
その人の言葉に、急に涙が出そうになった。
誰も助けてくれなかったのに。
見向きもしてくれなかったのに。
この人は私のことを見つけてくれた。
お家のことを関係なく、
初めて私に手を差し伸べてくれた。
そんな気がした。