sugar & coffee
「 おい。 」
さっきと同じ言葉。
だけど、今度の言葉は、私に向けた言葉だと
すぐに分かった。
さっきと変わらず、気怠さのこもった声では
あったけど、苛立ちのこもっていない声。
「 こいよ。 」
あの人の方へ行けば、助けてくれる。
そんな確信を持った私は、
一歩踏み出そうと、足を動かした。
「 っ!!!!! 」
同時に左肩に感じた痛み。
肩を抱かれていた手に
強く強く力を込められていた。
「 行かせるかよ。 」
耳元で囁かれた、嘲るような声に
悪寒が走った。
「 ちっ。めんどくせぇ 」
そんな声が聞こえたかと思うと、
2mくらい離れていたはずの人が
真横に立っていた。
言葉に出来ないような、嫌な音が
耳元で聞こえたかと思うと、
肩に感じていた重みが消えた。
私の肩を抱いていたはずの男は、
地面へ横たわっていた。
あまりの出来事に、頭がついて行かない。
「 は…? 」
周りの男たちも、あまりの出来事に
少しの間固まっていた。
「 てめぇ、、、 」
我に返り、その人に殴りかかろうとした
男の手は、別の人によって阻止された。
「 お前らの相手は俺らがしてやるよ? 」
気付いたら周りには、見覚えのない
男の人が2人。
きっと、銀色の髪の方に目を奪われて
気付けなかっただけで、
銀色の髪の方のお友達だろう。
呆気にとられたまま、銀色の髪の方に
目を向けると、その人が私の方を見た。
交わる視線に、鼓動が早まる。