sugar & coffee
「 お前、バカなの? 」
私に向けられた言葉に、
少しの間時が止まった。
「 ……へっ…? 」
まだ混乱したままの私は、
思わず変な返事をしてしまった。
「 ふはっ!なにその声!
どこから出たの? 」
いきなり左隣から聞こえてきた声に驚き
周りを見渡すと、あの嫌な4人組は
もうどこにもいなくなっていた。
「 ゼロくんは心配してるんだよ。
いくら治安がいい場所とは言え、
可愛い女の子がこんな人混みの中を
1人で歩いてたら、
さっきみたいな奴らからしたら、
まわしてくださいって言われてるような
ものだからね。 」
右から聞こえてきた声に、目線を移しながら
言葉の意味を考える。
「 まわす……? 」
言葉の意味が理解できない私を見て、
両隣にいる2人が驚いた顔で
顔を見合わせている。
あまりにも世間知らずな自分に、
恥ずかしくなった。
もう一度、ゼロくんと呼ばれていた
銀色の髪の方の顔を見て、我に返った。
「 あっ!!
先程は、本当にありがとうございました 」
私の唐突な発言が面白かったのか、
左側にいらした方が
肩を震わせ笑われていた。