sugar & coffee
「 どう?美琴ちゃん。
第一印象で気になった方とか…いる? 」
お母様の弾んだ声に、目眩がした。
第一印象と言っても、目の前には
40歳を過ぎたおじさまばかり。
世間知らずのお嬢様でも、
世間知らずのお嬢様だからこそ、
小説や漫画の世界で見るような、
王道な制服デートに憧れる。
スクールラブって響きにもドキドキする。
でも目の前には……
失礼だけど、コスプレで制服なんて着たら
警察が動いてしまいそうな年齢の方ばかり。
「 お母様…私… 」
もう一度お断りしようと口を開くと、
何かを察したかのようなお母様に
言葉を遮られた。
「 そうよね!美琴ちゃんは、
人を見た目で判断する子じゃないものね!
ちゃんとお話ししてからじゃないとっ! 」
お母様の勘違いの元、
自己紹介が始まってしまった。