sugar & coffee
お父様の部屋のドアを、軽くノックしてから
私はドアを開けた。
「 お父様…?少しお話よろしいですか? 」
ドアの隙間から顔を覗かせる私を見て、
柔らかく微笑んだお父様は、
ドアの近くまで歩いてきて、
優しくドアを開いてくれた。
「 どうぞ 」
お部屋に入ると、椅子を引いて、
優しくエスコートしてくださるお父様。
誰にでも紳士的な振る舞いをするお父様と
昔は本気で結婚しようと考えていた。
「 紅茶でも持ってきてもらおうか 」
お父様の言葉に、首を振る。
「 今日は朝から沢山のお料理を
用意していただいたから。
もう休んでいただきたいの 」
私の言葉に嬉しそうに微笑むお父様。
「 美琴は本当に優しい子だね。
ところで、何のお話かな? 」
話しやすい空気を作ってくれるお父様に
心が暖かくなった。
一度小さく深呼吸をしてから、口を開く。