sugar & coffee


「 先程、婚約者候補の方々に

お会いしました。 」


私の言葉に、不思議そうな顔をするお父様。


「 婚約者…候補…? 」


もちろんお父様も知っているものだとばかり

思っていたから、お父様の反応には驚いた。


分かりやすく簡潔に事情を説明している間、

お父様は微笑みに少し困った顔を混ぜながら

相槌をうっていた。


「 そうか…急に、びっくりしたね、美琴。

美雪もきっと、悪気があったわけでは

ないんだよ。

ただ、心の底から、美琴に幸せになって

欲しいんだ。

きっと私に相談しなかったのも、

仕事の邪魔をしたくないという、

美雪の優しさだろう。

事情はよく分かったよ。

美琴の話の続きを聞かせてくれるかな? 」


私がこれからしようとしているお話は、

相当めちゃくちゃなお願いだ。


それが分かっているから、とても緊張する。


私は、もう一度小さく深呼吸をして、

気合を入れ直した。


< 8 / 27 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop