sugar & coffee
「 先程、婚約者候補の方々に
お会いしました。 」
私の言葉に、不思議そうな顔をするお父様。
「 婚約者…候補…? 」
もちろんお父様も知っているものだとばかり
思っていたから、お父様の反応には驚いた。
分かりやすく簡潔に事情を説明している間、
お父様は微笑みに少し困った顔を混ぜながら
相槌をうっていた。
「 そうか…急に、びっくりしたね、美琴。
美雪もきっと、悪気があったわけでは
ないんだよ。
ただ、心の底から、美琴に幸せになって
欲しいんだ。
きっと私に相談しなかったのも、
仕事の邪魔をしたくないという、
美雪の優しさだろう。
事情はよく分かったよ。
美琴の話の続きを聞かせてくれるかな? 」
私がこれからしようとしているお話は、
相当めちゃくちゃなお願いだ。
それが分かっているから、とても緊張する。
私は、もう一度小さく深呼吸をして、
気合を入れ直した。