今宵浮かぶは陰陽の名
「調子こいてんじゃねぇぞ…」


ボソッと呟いた桜子の声は、あまりにも小さく取り巻きたちも聞こえていない
それは誠も同じだったが、唯一藍だけは聞こえていた

言われも気にせず動じないのが、藍である



『(めんどくさ…)』
そんなことを、心の中でため息つきながら呟いていた





「誠…」

「ん?あ!青矢!!どうしたの?」

「朱弦が呼んでる…」

「え!朱弦!?今どこにいるの?」

「屋上にいるよ。」

「おっけ!ありがとう!」


青矢の登場で、嵐のように来た誠は嵐のように去っていた
藍を睨む桜子を置き去りにして…



誠が朱弦の方へ行ったのを見た青矢は、自席についた
それを見越した桜子は藍の耳元にそっと呟いた


「あとで、屋上においで…?遊びましょう?」と。



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