今宵浮かぶは陰陽の名
ガサガサッ
『……。』
音のする方を見ていると
「何ここ!!裏庭!?」
「少し、落ちつけ誠。」
朝、チラッとのぞかせた4人の転校生の姿がそこにあった。
「あれ、先客ですか?」
「……。」
藍は静かに立ち上がりその場を離れようとする。
いつの間にか岑阮は姿を眩ませていた。
「ちょっと待って!!!」
タッタッと藍に向かって駆け出した誠と呼ばれる男子生徒。
パシッと藍の手首を掴んだ。
ゆっくり藍は振り返ると満面の笑みを浮かべる可愛い男の子。
「なんでいなくなろうとするの!!
僕は、白志野 誠!!同じクラスの上社さんだよね!」
元気な声でニコニコ笑って話す可愛い容姿の男の子。
カモベージュのパーマをかけたようなふわふわな髪、キラキラした好奇心旺盛な表情。だが、なぜか藍は目が本当の意味で笑っていないように感じた。
『…。そうですが、何か私に用ですか?』
「僕と友達になってよ!!!」
『!?!?』
あまりにも唐突的な発言し、表情を変えなかった藍もさすがに驚いた顔をする。
『いや、何をいきなり…』
「そうですよ、誠。
いきなりでは上社さんも驚いてしまいます。」
「えー??」
「すみません。上社さん。」
『あ、いえ…。』
「僕は清水 玄志です。よろしくお願いします。」
黒い髪に黒縁メガネ。インテリ系を匂わせる容姿である。
「俺は琴羽野 朱弦。」
少し赤がかった髪色に少し細い目。
「あ、俺…俺は…。時宮 青矢…。」
もじもじと恥ずかしそうに声の声量がどんどん小さくなりながら呟くように自己紹介する、右目まで隠れた長い前髪の男の子。
4人ともカッコいいの一言では言い表せれないような容姿の持ち主。キラキラと光るような4人を見て藍は表情を硬くさせた。