クールな部長とときめき社内恋愛
週が明けて会社へと出勤すると、いつもより仕事が忙しかった。
営業部全体で取引先との大きな商談を控えているので、朝から会議でバタバタし、書類作成に追われる。
しかもその取引先というのが、大型ショッピングモール『シャイン』。
晃久さんと付き合っているときから、『シャイン』が取引先だというのは知っていた。そのときは特に意識することはなかったけれど、別れた今は元カレが常務として働いているっていうことが少し気になる。
わたしが気にしても、商談が有利になるわけではないんだけど。
そんなことを考えながら資料の入った段ボールを抱えて運んでいると、課の入口で「あっ……!」と躓きそうになった。
すると、手から落ちそうになった段ボールと一緒に体を支えられる。
「危なかった、大丈夫か?」
顔を上げると、ちょうど外に出ようとしていたのか、藤麻さんが「落ちなかった。セーフだな」と言って笑いかけてきた。
ぽうっとなってしまい、徐々に顔が熱くなってくる。
わかっていたけど、改めて藤麻さんのことをかっこいいと思ってしまった。
わたし、この人と付き合っているんだ……。
支えられたままそんなことを考えていると、藤麻さんがクスッと笑ってわたしの耳に口もとを寄せた。
「顔赤い。ダメだろ、ここ会社なんだから。周りにどうしたんだって思われる」
「ご、ごめんなさい……!」
窘めるような口調だったから、素直に謝ってしまった。
営業部全体で取引先との大きな商談を控えているので、朝から会議でバタバタし、書類作成に追われる。
しかもその取引先というのが、大型ショッピングモール『シャイン』。
晃久さんと付き合っているときから、『シャイン』が取引先だというのは知っていた。そのときは特に意識することはなかったけれど、別れた今は元カレが常務として働いているっていうことが少し気になる。
わたしが気にしても、商談が有利になるわけではないんだけど。
そんなことを考えながら資料の入った段ボールを抱えて運んでいると、課の入口で「あっ……!」と躓きそうになった。
すると、手から落ちそうになった段ボールと一緒に体を支えられる。
「危なかった、大丈夫か?」
顔を上げると、ちょうど外に出ようとしていたのか、藤麻さんが「落ちなかった。セーフだな」と言って笑いかけてきた。
ぽうっとなってしまい、徐々に顔が熱くなってくる。
わかっていたけど、改めて藤麻さんのことをかっこいいと思ってしまった。
わたし、この人と付き合っているんだ……。
支えられたままそんなことを考えていると、藤麻さんがクスッと笑ってわたしの耳に口もとを寄せた。
「顔赤い。ダメだろ、ここ会社なんだから。周りにどうしたんだって思われる」
「ご、ごめんなさい……!」
窘めるような口調だったから、素直に謝ってしまった。