クールな部長とときめき社内恋愛
ここは課の入口で誰かが見ているかもしれないのに、耳もとで囁くのもダメだと思うんですけど!
我に返ったらそう反論したくなったけど我慢して、段ボールを持ち直そうとしたとき、藤麻さんがひょいっとわたしの手から段ボールを取り上げた。
「これ置いたら、一緒に昼飯行こう」
「あ、ありがとうございます」
もうそんな時間なんだ、と腕時計を確認するとお昼休みの時間になっていた。いや、待って、一緒に昼飯行こうってどういうこと?
まさか、ふたりで食堂に行くつもりじゃないよね。
食堂には他の社員がたくさんいるし、藤麻さんとわたしが一緒にいたら女性社員が怖い顔をしそう。
考えている間に藤麻さんは戻ってきて、「食堂のメニューなにかな」などと呑気に言いながら課を出ていく。
やっぱり、食堂に行くつもりなんだ。
「ま、待ってください、食堂はダメです!」
慌てて追い掛けながらそう言ったわたしに、藤麻さんは振り返って首をかしげた。
「なんで?」
「だって、他の人もいるし」
付き合っていることを隠したいわけじゃなくて、じろじろ見られて、落ち着かない気分になるのが嫌。
「ふたりでゆっくり話しながら食べられるところがいいんです……」
わたし、なにを言っているんだろう。
自分でも恥ずかしくて、前髪をいじりながらうつむく。
我に返ったらそう反論したくなったけど我慢して、段ボールを持ち直そうとしたとき、藤麻さんがひょいっとわたしの手から段ボールを取り上げた。
「これ置いたら、一緒に昼飯行こう」
「あ、ありがとうございます」
もうそんな時間なんだ、と腕時計を確認するとお昼休みの時間になっていた。いや、待って、一緒に昼飯行こうってどういうこと?
まさか、ふたりで食堂に行くつもりじゃないよね。
食堂には他の社員がたくさんいるし、藤麻さんとわたしが一緒にいたら女性社員が怖い顔をしそう。
考えている間に藤麻さんは戻ってきて、「食堂のメニューなにかな」などと呑気に言いながら課を出ていく。
やっぱり、食堂に行くつもりなんだ。
「ま、待ってください、食堂はダメです!」
慌てて追い掛けながらそう言ったわたしに、藤麻さんは振り返って首をかしげた。
「なんで?」
「だって、他の人もいるし」
付き合っていることを隠したいわけじゃなくて、じろじろ見られて、落ち着かない気分になるのが嫌。
「ふたりでゆっくり話しながら食べられるところがいいんです……」
わたし、なにを言っているんだろう。
自分でも恥ずかしくて、前髪をいじりながらうつむく。