クールな部長とときめき社内恋愛
少しだけ不安に思いながら部署の近くまで来たとき、前からあの藤麻逸希さんが歩いてくることに気づいた。
ほんのりと茶色がかった長めの髪に綺麗な顔立ちで、スタイルがいいけど軟弱には見えない男性らしい体つき。
見惚れそうになったところではっとして、とりあえず軽く会釈をして部署内へ入ろうとしたとき、「ちょっと待って」と声がしたので立ち止まって彼のほうを見た。
えっ、わたし?という顔をしていると、目の前へやってきた藤麻さんはにこりと口もとを緩める。
その綺麗な微笑みに、わたしは思わずドキッとしてしまう。かっこいい人だというのは見かけているから知っていたけど、こんなに近くで見たことがなかったから。それと同時に、一体わたしになんの用なのだろうかと緊張する。
仕事の話なら、わたしなんかじゃなくて課長とかにしてほしいけど……。
「ああ、やっぱり君だよな。ずっと確認しようと思っていたんだけど、後回しになっていたんだ。三週間くらい前だっけ、これを落としただろ?」
そう言って藤麻さんが上着のポケットから取り出したもの。それは、晃久さんから貰ったネックレスだった。
別れた日につけていたんだけど、帰宅してから無くなっていることに気づいて、どこかで落としてしまったんだなと思っていたものだ。
ほんのりと茶色がかった長めの髪に綺麗な顔立ちで、スタイルがいいけど軟弱には見えない男性らしい体つき。
見惚れそうになったところではっとして、とりあえず軽く会釈をして部署内へ入ろうとしたとき、「ちょっと待って」と声がしたので立ち止まって彼のほうを見た。
えっ、わたし?という顔をしていると、目の前へやってきた藤麻さんはにこりと口もとを緩める。
その綺麗な微笑みに、わたしは思わずドキッとしてしまう。かっこいい人だというのは見かけているから知っていたけど、こんなに近くで見たことがなかったから。それと同時に、一体わたしになんの用なのだろうかと緊張する。
仕事の話なら、わたしなんかじゃなくて課長とかにしてほしいけど……。
「ああ、やっぱり君だよな。ずっと確認しようと思っていたんだけど、後回しになっていたんだ。三週間くらい前だっけ、これを落としただろ?」
そう言って藤麻さんが上着のポケットから取り出したもの。それは、晃久さんから貰ったネックレスだった。
別れた日につけていたんだけど、帰宅してから無くなっていることに気づいて、どこかで落としてしまったんだなと思っていたものだ。