クールな部長とときめき社内恋愛
「これ、どうして……」
「あの日、ぶつかったこと覚えてる? あれ俺だったんだけど」
わたしは、えっ!?と彼を見る。確かエレベーターから勢いよく降りたあと人にぶつかって、泣いていたわたしは相手の顔を見ずにすぐ謝って去った。あのときの人が、藤麻さんだったの?
「ぶつかったとき、君がこのネックレスを落としたみたいで呼び止めたんだけど、すぐに歩いて行っちゃったから俺が拾って預かっておいたんだ。君のこと、見かけたことあるなと思ったから」
「す、すみません、急いでいたから……」
「泣いていたよな?」
首を傾けて尋ねてきた藤麻さんに、わたしの体は硬直する。
あのとき、目元が濡れていたのを見られてしまったんだ。恥ずかしくて、答えないままネックレスを受け取ってお礼だけを言う。
思い出したくないことまで、思い出してしまいそうで。
こちらが気まずいと感じているのに、藤麻さんは小さく笑ってわたしの顔を覗くように見てきた。
「ぶつかった相手が同じ会社の女の子で、落としたネックレスを社内で渡すって面白いめぐり合わせだし、君の名前、教えてもらっていい?」
彼と目が合って胸の鼓動が大きく高鳴ったけど、簡単にときめいたらダメだと思ってすぐに視線を逸らした。
「あの日、ぶつかったこと覚えてる? あれ俺だったんだけど」
わたしは、えっ!?と彼を見る。確かエレベーターから勢いよく降りたあと人にぶつかって、泣いていたわたしは相手の顔を見ずにすぐ謝って去った。あのときの人が、藤麻さんだったの?
「ぶつかったとき、君がこのネックレスを落としたみたいで呼び止めたんだけど、すぐに歩いて行っちゃったから俺が拾って預かっておいたんだ。君のこと、見かけたことあるなと思ったから」
「す、すみません、急いでいたから……」
「泣いていたよな?」
首を傾けて尋ねてきた藤麻さんに、わたしの体は硬直する。
あのとき、目元が濡れていたのを見られてしまったんだ。恥ずかしくて、答えないままネックレスを受け取ってお礼だけを言う。
思い出したくないことまで、思い出してしまいそうで。
こちらが気まずいと感じているのに、藤麻さんは小さく笑ってわたしの顔を覗くように見てきた。
「ぶつかった相手が同じ会社の女の子で、落としたネックレスを社内で渡すって面白いめぐり合わせだし、君の名前、教えてもらっていい?」
彼と目が合って胸の鼓動が大きく高鳴ったけど、簡単にときめいたらダメだと思ってすぐに視線を逸らした。