クールな部長とときめき社内恋愛
見つめ合って今度は深く唇を重ねると、甘い眩暈がした。
キスをして、触れることができてうれしい。お互いがそう思っているような口づけだった。

「舞花がこうしてそばにいることにほっとするし、もっと、欲しい……」

唇を離して熱っぽい表情でそう言った逸希さんは、わたしの肩を抱きながら寝室へと向かう。
そして、ベッドにわたしを倒した。

「逸希さ……ん……」

「このまま抱いても平気? 嫌じゃないか?」

わたしに覆いかぶさってそう尋ねてきた彼は、苦しげに眉をひそめる。今までの彼とは違ってどこか遠慮がちで、でもそれは、わたしに嫌われたくないと思っているのかなと、そう感じた。

「嫌じゃないです。だってわたしも……触れてもらいたいし……」

恥ずかしい。だけど、言葉にしないとこういうことは伝わらないから。
赤くなってくる顔を隠そうと、手を顔の前に持ってきたとき、手首を掴まれてしまった。

「隠すなよ。見たいんだ、舞花のかわいい表情」

触れてもらいたいと言ったわたしに安心したのか、意地悪な彼がちょっとだけ復活して、わたしを見ながらふっと笑った。
そういう逸希さんを久々に見た気がして、わたしも我慢ができなくなる。

唇が肌に触れるたびに、幸せだなって思う。
いたずらっぽくつつくように舌で首筋を舐められて、ドキドキする気持ちが抑えられない。

ベッドの上で想いを確かめ合って、わたしは逸希さんの腕に抱かれながら眠りについた。
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