クールな部長とときめき社内恋愛
旅行当日。連休の初日は、からっとした晴れの穏やかな天気だった。
舞花と俺は主要駅で兄さんと穂乃恵さんと待ち合せをし、四人で新幹線へ乗り込む。
向かう場所は首都圏の温泉地で、泊まる旅館は露天風呂付きのふたり一部屋。
舞花と同じ部屋がいいと言いたいところだが、女と男で別れるらしい。
「並田さん、温泉楽しみですね!」
「う、うん」
舞花と隣同士で座っている穂乃恵さんは、どこか緊張しているように見える。
いつもの彼女ならワクワクした顔をして明るい声で喋っているはずだ。
仕方ないか、好きな男と旅行なのだから。俺は隣に座っている兄さんをちらっと見るが、乗ってから変わらずずっと不機嫌そうな顔をしたまま。
最終的に行くっていったのは自分なんだから、そんな表情のままでいるなよ。
まったく、俺の兄なのに温厚な感じがまったくないな。
新幹線に乗っている間、穂乃恵さんの緊張と兄さんの機嫌をどうしようかと頭を悩ませていた。
だが結局なにも解決しないまま、降りる駅へとたどり着く。
「あ、あの、駅前のお店でお土産を見てもいいですか? どんなものがあるのかなって気になってて……」
「着いたらまず宿に決まってるだろう。土産は明日でもいいし、旅館にも売ってるはずだ」
穂乃恵さんと兄さんを気にして、舞花なりに盛り上がるようなことを言ったつもりだったのだろう。しかし兄さんに弾かれてしまい、彼女は「す、すみません」と落ち込む。
舞花と俺は主要駅で兄さんと穂乃恵さんと待ち合せをし、四人で新幹線へ乗り込む。
向かう場所は首都圏の温泉地で、泊まる旅館は露天風呂付きのふたり一部屋。
舞花と同じ部屋がいいと言いたいところだが、女と男で別れるらしい。
「並田さん、温泉楽しみですね!」
「う、うん」
舞花と隣同士で座っている穂乃恵さんは、どこか緊張しているように見える。
いつもの彼女ならワクワクした顔をして明るい声で喋っているはずだ。
仕方ないか、好きな男と旅行なのだから。俺は隣に座っている兄さんをちらっと見るが、乗ってから変わらずずっと不機嫌そうな顔をしたまま。
最終的に行くっていったのは自分なんだから、そんな表情のままでいるなよ。
まったく、俺の兄なのに温厚な感じがまったくないな。
新幹線に乗っている間、穂乃恵さんの緊張と兄さんの機嫌をどうしようかと頭を悩ませていた。
だが結局なにも解決しないまま、降りる駅へとたどり着く。
「あ、あの、駅前のお店でお土産を見てもいいですか? どんなものがあるのかなって気になってて……」
「着いたらまず宿に決まってるだろう。土産は明日でもいいし、旅館にも売ってるはずだ」
穂乃恵さんと兄さんを気にして、舞花なりに盛り上がるようなことを言ったつもりだったのだろう。しかし兄さんに弾かれてしまい、彼女は「す、すみません」と落ち込む。