クールな部長とときめき社内恋愛
でも、“どうなるかわかっているよな?”と脅すようなことを言うってことは、なにか事情がありそうな気もする。
悪い顔をしている藤麻さんに焦っていると、彼は座り直してわたしから少し離れた。
「じゃあ次、俺の番な」
もういいや、ヤケ酒について聞かれたら彼氏に振られたって簡潔に答えればいい。それで笑われても、からかわれても、仕方ない。
諦めて聞かれるのを待っていると、藤麻さんは妙に真面目な顔をしていた。
「俺が友野さんとぶつかった日、君は泣いていただろ。あの日、なにがあった?」
「え……」
まさか、泣いてぶつかった日のことを聞かれるとは思っていなかったわたしは、藤麻さんの顔を見つめて固まってしまう。
彼氏に振られたって言えばいいだけなのに、どうしてか声が出ない。
「朝、泣いていたことを聞いたときも様子が変だったよな」
「そ、そうでしたっけ……」
焦っているのを誤魔化すために藤麻さんから顔を背けたくて、近くにあったバッグからスマートフォンを取り出そうと探していると、彼に朝返してもらって内ポケットへと入れておいたネックレスが視界に入った。そうしたら胸がキリキリと痛みだして、ぐっと奥歯を噛む。
思い出すと、どうしてこんなに苦しくなってしまうんだろう。
悪い顔をしている藤麻さんに焦っていると、彼は座り直してわたしから少し離れた。
「じゃあ次、俺の番な」
もういいや、ヤケ酒について聞かれたら彼氏に振られたって簡潔に答えればいい。それで笑われても、からかわれても、仕方ない。
諦めて聞かれるのを待っていると、藤麻さんは妙に真面目な顔をしていた。
「俺が友野さんとぶつかった日、君は泣いていただろ。あの日、なにがあった?」
「え……」
まさか、泣いてぶつかった日のことを聞かれるとは思っていなかったわたしは、藤麻さんの顔を見つめて固まってしまう。
彼氏に振られたって言えばいいだけなのに、どうしてか声が出ない。
「朝、泣いていたことを聞いたときも様子が変だったよな」
「そ、そうでしたっけ……」
焦っているのを誤魔化すために藤麻さんから顔を背けたくて、近くにあったバッグからスマートフォンを取り出そうと探していると、彼に朝返してもらって内ポケットへと入れておいたネックレスが視界に入った。そうしたら胸がキリキリと痛みだして、ぐっと奥歯を噛む。
思い出すと、どうしてこんなに苦しくなってしまうんだろう。