クールな部長とときめき社内恋愛
七時五十分には部屋を出ないと、遅刻してしまう。藤麻さんの後に急いでシャワーを使って、バタバタと支度を進めていた。
「友野さん、ワックス持ってないよね?」
「男性用のなんてありません!」
「だよね。着替えたシャツとパンツと靴下、置いていってもいい?」
「も、もういいですから、早く行きますよ!」
こんな会話を藤麻さんとするなんて、思ってもいなかった。
昨日まで社内で人気の男性社員っていう認識だけしかなかったのに、ネックレスを拾ってくれていて、同じ課になって、一緒にお酒を飲んで部屋に一晩泊めるなんて。
社長の息子だっていうし、藤麻さんとは一定の距離を保っておいたほうがいいのではないだろうか。
「おはようございます」と課へ入っていったわたしのあとに、藤麻さんも続いて入ってきた。
同じ場所から出勤してきたし、時間ギリギリだったので一緒になってしまうのは仕方ない。ふたりで続いたからって、彼がわたしの部屋に泊まったなんてことを考える人はいないだろう。ただ、タイミングが被っただけと思うはず。
「藤麻さん、なんか今日は雰囲気違いますね。髪型かな?」
「ああ、今日はちょっと……いつものスタイリング剤がなくて」
そばにいた同僚男性と藤麻さんの会話に、デスクに着いたわたしはビクッとなった。大丈夫、落ち着こう、髪をセットしていないっていうだけで、彼が昨夜どこにいたか知られてしまうことはないんだから。
「友野さん、ワックス持ってないよね?」
「男性用のなんてありません!」
「だよね。着替えたシャツとパンツと靴下、置いていってもいい?」
「も、もういいですから、早く行きますよ!」
こんな会話を藤麻さんとするなんて、思ってもいなかった。
昨日まで社内で人気の男性社員っていう認識だけしかなかったのに、ネックレスを拾ってくれていて、同じ課になって、一緒にお酒を飲んで部屋に一晩泊めるなんて。
社長の息子だっていうし、藤麻さんとは一定の距離を保っておいたほうがいいのではないだろうか。
「おはようございます」と課へ入っていったわたしのあとに、藤麻さんも続いて入ってきた。
同じ場所から出勤してきたし、時間ギリギリだったので一緒になってしまうのは仕方ない。ふたりで続いたからって、彼がわたしの部屋に泊まったなんてことを考える人はいないだろう。ただ、タイミングが被っただけと思うはず。
「藤麻さん、なんか今日は雰囲気違いますね。髪型かな?」
「ああ、今日はちょっと……いつものスタイリング剤がなくて」
そばにいた同僚男性と藤麻さんの会話に、デスクに着いたわたしはビクッとなった。大丈夫、落ち着こう、髪をセットしていないっていうだけで、彼が昨夜どこにいたか知られてしまうことはないんだから。