クールな部長とときめき社内恋愛
長い黒髪を揺らし、すらっとした体系にスーツがとても似合っている。かっこいい女性という印象の美人だ。
藤麻さんと並田さんを見ていると、美男美女でお似合いだと思う。
こういう人がいるなら、わたしなんて構わないでほしい。
ムカムカしたものが再び沸いてきて、唇を噛みしめたわたしは通路で話すふたりを見ないようにしながらオフィスへと歩き出す。
どうせわたしは、からかわれているだけ。
優しい言葉をかけてもらえても、部屋に泊めても、それ以上なにかがあるわけではない。別に期待なんてしていないよ。でもちょっとだけ、浮かれていたかもしれない。
藤麻さんとお酒を飲んで話をするのは、楽しいって思っていたから。
「今回の新商品、よろしくね。逸希くんに任せたわよ! あっ、そうだ、久しぶりに飲みに行こうよ。新商品ヒットの作戦も内輪で練ろうか」
「それなら他の人も誘おう。うちの課の人たち、飲み会好きだから喜んで参加するだろうし」
「わかった。週末がいいよね、企画メンバーにも適当に声かけておく。それじゃあ、ちょっと春伸のところにも行ってくるね」
すれ違ってもふたりの会話は聞こえて、嫌な気分のままオフィスへ入ろうとしたとき、会話を終えた藤麻さんがすぐ後ろに立った。
「今週末、新商品の企画メンバーと飲み会をするみたいなんだけど、友野さんも行く?」
陽気な声に、もやもやしている自分が馬鹿みたいに思えてくる。
「行きます……」
小さな声で答えたわたしは、藤麻さんを見ずに自分のデスクへ着いた。
飲み会に参加して、並田さんと藤麻さんが仲良く話をしているのをわざわざ見に行く必要なんてないのに。
だけど、どうしても気になって仕方なかった。
藤麻さんと並田さんを見ていると、美男美女でお似合いだと思う。
こういう人がいるなら、わたしなんて構わないでほしい。
ムカムカしたものが再び沸いてきて、唇を噛みしめたわたしは通路で話すふたりを見ないようにしながらオフィスへと歩き出す。
どうせわたしは、からかわれているだけ。
優しい言葉をかけてもらえても、部屋に泊めても、それ以上なにかがあるわけではない。別に期待なんてしていないよ。でもちょっとだけ、浮かれていたかもしれない。
藤麻さんとお酒を飲んで話をするのは、楽しいって思っていたから。
「今回の新商品、よろしくね。逸希くんに任せたわよ! あっ、そうだ、久しぶりに飲みに行こうよ。新商品ヒットの作戦も内輪で練ろうか」
「それなら他の人も誘おう。うちの課の人たち、飲み会好きだから喜んで参加するだろうし」
「わかった。週末がいいよね、企画メンバーにも適当に声かけておく。それじゃあ、ちょっと春伸のところにも行ってくるね」
すれ違ってもふたりの会話は聞こえて、嫌な気分のままオフィスへ入ろうとしたとき、会話を終えた藤麻さんがすぐ後ろに立った。
「今週末、新商品の企画メンバーと飲み会をするみたいなんだけど、友野さんも行く?」
陽気な声に、もやもやしている自分が馬鹿みたいに思えてくる。
「行きます……」
小さな声で答えたわたしは、藤麻さんを見ずに自分のデスクへ着いた。
飲み会に参加して、並田さんと藤麻さんが仲良く話をしているのをわざわざ見に行く必要なんてないのに。
だけど、どうしても気になって仕方なかった。