クールな部長とときめき社内恋愛
ずっと心が晴れないまま、仕事に集中することでなんとか誤魔化して考えないようにしながら過ごし、週末を迎えた。
やっぱり、行くなんて言わなければよかったかな。
以前、藤麻さんの歓迎会をした居酒屋に新商品の企画に関わったメンバーと第三営業課の数人が集まった。
飲み会好きの課長と数名は出張が入ってしまって来られず、とても残念がっていた。
「乾杯!」と、楽しく飲み始めた並田さんと、その隣で彼女の話し相手になっている藤麻さんの様子を、わたしは少し離れた席から窺う。
美知が、並田さんは藤麻さんと特別親しいというようなことを言っていたけど、ふたりにはなにがあるんだろう。
「藤麻さんと並田さんは仲がいいんですね。会社でもたまに喋っているのを見かけるし」
企画部の女性社員が、興味深げに話を振った。気になることが話題になったので、グレープフルーツサワーを少しずつ飲みながら、会話をじっと聞く。
「わたしは、藤麻春伸と同級生なの。大学はそれぞれ別々なんだけど、高校が春伸と逸希くんと一緒なんだ。それで逸希くんのことも昔から知っているから、よく話をするんだよ。といっても、わたしから声をかけにいっているだけ」
「入社したとき、部署が違うのに穂乃恵さんはよく気にかけて声をかけてくれたから、俺は助かってた」
そうなんだ……。昔からお互いのことを知っているから親しいんだ。
わたしは藤麻さんと話すようになってまだ一ヶ月も経っていない。比べること自体おかしいのに、どうして考えてしまうんだろう。
やっぱり、行くなんて言わなければよかったかな。
以前、藤麻さんの歓迎会をした居酒屋に新商品の企画に関わったメンバーと第三営業課の数人が集まった。
飲み会好きの課長と数名は出張が入ってしまって来られず、とても残念がっていた。
「乾杯!」と、楽しく飲み始めた並田さんと、その隣で彼女の話し相手になっている藤麻さんの様子を、わたしは少し離れた席から窺う。
美知が、並田さんは藤麻さんと特別親しいというようなことを言っていたけど、ふたりにはなにがあるんだろう。
「藤麻さんと並田さんは仲がいいんですね。会社でもたまに喋っているのを見かけるし」
企画部の女性社員が、興味深げに話を振った。気になることが話題になったので、グレープフルーツサワーを少しずつ飲みながら、会話をじっと聞く。
「わたしは、藤麻春伸と同級生なの。大学はそれぞれ別々なんだけど、高校が春伸と逸希くんと一緒なんだ。それで逸希くんのことも昔から知っているから、よく話をするんだよ。といっても、わたしから声をかけにいっているだけ」
「入社したとき、部署が違うのに穂乃恵さんはよく気にかけて声をかけてくれたから、俺は助かってた」
そうなんだ……。昔からお互いのことを知っているから親しいんだ。
わたしは藤麻さんと話すようになってまだ一ヶ月も経っていない。比べること自体おかしいのに、どうして考えてしまうんだろう。