クールな部長とときめき社内恋愛
「逸希くん、高校時代もすごくモテてたんだよ。毎日女の子が騒いでて」
「やめてくれよ穂乃恵さん、大げさに言い過ぎ」
「大げさじゃないよ、年上にもかなり人気あったでしょ!」
困ったような顔をしている藤麻さんに、並田さんはニヤニヤしている。
周りも盛り上がっていて、ふたりの話に興味を持っていた。
大体、こんなことでショックを受けるのはおかしいんだ。
だってわたしは別に、藤麻さんのことなんて……。
そう思いながらも、話しているふたりを見ると胸がチクチクと痛む。
わたしはひとりため息をついてお酒を飲んでいた。
夜の九時頃まで飲み会は盛り上がり、酔った並田さんは「ヒット商品はわたしが作るぞー!」と、右手を大きく上げて周りは若干引いていた。
すみません、と代わりに謝る同僚の女性と一緒に帰っていく彼女をお店の前で見送った。
美人で明るくて飾り気のない並田さんは、素敵な女性なんだろうな。
飲み会の間、ずっと笑顔で元気だった。わたしなんて、藤麻さんと並田さんが気になってムスッとしてあまり喋らないまま、近くにいた人に『具合悪い? 大丈夫?』と気を遣わせる始末。
情けない気持ちになって、さっさと帰って眠ろうと歩き出したとき、藤麻さんと目が合ってしまった。
いつも通りの自分で、お疲れ様でした、と挨拶をして帰ればいい。
だけど胸にある晴れない気持ちが邪魔をして、不自然に顔を逸らしてしまった。今日はなにもかもダメだ。
「やめてくれよ穂乃恵さん、大げさに言い過ぎ」
「大げさじゃないよ、年上にもかなり人気あったでしょ!」
困ったような顔をしている藤麻さんに、並田さんはニヤニヤしている。
周りも盛り上がっていて、ふたりの話に興味を持っていた。
大体、こんなことでショックを受けるのはおかしいんだ。
だってわたしは別に、藤麻さんのことなんて……。
そう思いながらも、話しているふたりを見ると胸がチクチクと痛む。
わたしはひとりため息をついてお酒を飲んでいた。
夜の九時頃まで飲み会は盛り上がり、酔った並田さんは「ヒット商品はわたしが作るぞー!」と、右手を大きく上げて周りは若干引いていた。
すみません、と代わりに謝る同僚の女性と一緒に帰っていく彼女をお店の前で見送った。
美人で明るくて飾り気のない並田さんは、素敵な女性なんだろうな。
飲み会の間、ずっと笑顔で元気だった。わたしなんて、藤麻さんと並田さんが気になってムスッとしてあまり喋らないまま、近くにいた人に『具合悪い? 大丈夫?』と気を遣わせる始末。
情けない気持ちになって、さっさと帰って眠ろうと歩き出したとき、藤麻さんと目が合ってしまった。
いつも通りの自分で、お疲れ様でした、と挨拶をして帰ればいい。
だけど胸にある晴れない気持ちが邪魔をして、不自然に顔を逸らしてしまった。今日はなにもかもダメだ。