クールな部長とときめき社内恋愛
すると、ビルの出入口で勢いよく男の人とぶつかってしまい、その反動でわたしの体はドサッと後ろへ倒れる。
「おっと、ごめん、大丈夫?」
「っ……すみません……」
もう帰りたい、今すぐに。じわりと、再び涙が滲んできて虚しくなったわたしは、ぶつかった相手の顔を見ずに謝りながら立ち上がると、すぐに歩きだす。
「あ、ちょっと君、待って」
後ろから呼び止める声が聞こえたが、泣いている顔を人に見られて変に思われるのは嫌だったから、そのまま急いで去った。
ひんやりとした夜の風が、余計に自分を虚しくさせる。
帰宅途中の電車の中でなにも考えないようにして、自分の部屋へたどり着いてから思いっきり泣いた。
こんな夜になるなんて思いもせず、楽しみにしていたのに。
振られてしまった。その事実がとても悲しくて、明け方までわたしは眠ることができなかった。
***
梅雨の時期に入ってすっきりしない天気が多くなったが、今日は久しぶりの晴天で日差しがとても気持ちよかった。
入社した頃は通勤にバタバタしていたけれど、今は余裕を持って出社できるようになっている。
ここ数年業績を上げてきている食品メーカー『フジマル』の第三営業課で、わたしは事務をしている。三課はカップ麺などのインスタント食品を担当していて、売上に関しては第二営業課が担当している冷凍食品の半分ほど。
「おっと、ごめん、大丈夫?」
「っ……すみません……」
もう帰りたい、今すぐに。じわりと、再び涙が滲んできて虚しくなったわたしは、ぶつかった相手の顔を見ずに謝りながら立ち上がると、すぐに歩きだす。
「あ、ちょっと君、待って」
後ろから呼び止める声が聞こえたが、泣いている顔を人に見られて変に思われるのは嫌だったから、そのまま急いで去った。
ひんやりとした夜の風が、余計に自分を虚しくさせる。
帰宅途中の電車の中でなにも考えないようにして、自分の部屋へたどり着いてから思いっきり泣いた。
こんな夜になるなんて思いもせず、楽しみにしていたのに。
振られてしまった。その事実がとても悲しくて、明け方までわたしは眠ることができなかった。
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梅雨の時期に入ってすっきりしない天気が多くなったが、今日は久しぶりの晴天で日差しがとても気持ちよかった。
入社した頃は通勤にバタバタしていたけれど、今は余裕を持って出社できるようになっている。
ここ数年業績を上げてきている食品メーカー『フジマル』の第三営業課で、わたしは事務をしている。三課はカップ麺などのインスタント食品を担当していて、売上に関しては第二営業課が担当している冷凍食品の半分ほど。