クールな部長とときめき社内恋愛
大人の女らしくいたくて元カレの前ではあまりジュースを飲まなかったり、大笑いすることはなかった気がする。

結局わたしも自分の表面だけを見せているだけだった。嫌われたくない、釣り合いたいっていう思いがあったからだけど、結婚を考える仲ではないって元カレに言われたのは仕方なかったのかもしれない。

「またエアホッケーやりましょう。次は負けませんから!」

「いいよ。俺、手加減しないけどね」

藤麻さんとは、同じ目線で笑い合えているって感じる。
今日一緒にいて、彼のことを好きっていう気持ちがさらに強くなった。


リベンジを試みたエアホッケーは、やっぱり藤麻さんが勝った。
『勝っちゃってごめんね』なんて、涼しい顔で言うからイラッとしたけど、本気で遊ぶのは面白い。

「筋肉痛になるかも……」

「俺も。右腕が結構やばい」

一通り遊んで車に乗り込むと、お互い自分の腕をさすりながら困った笑いを浮かべる。
今日は緊張からはじまって、ドキドキして忙しかったけど、藤麻さんと過ごした時間は楽しかった。

これでもう帰るのかな?
まだ一緒にいたいって言ったら、藤麻さんはどう思うだろう。
言ってみようかと思うけど、伝えても反応が悪かったらどうしようかと、不安な考えしか浮かばない。
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