クールな部長とときめき社内恋愛
「嬉しい。俺のことを好きって言う友野さんの顔、よく見せてくれよ」

彼の声は静かだけど、表情は熱っぽい。そんな顔をされたら、言う通りにしたくなる。

近づいてくる彼の唇に、焦がれてしまう。

「好き……んっ……」

言葉を発すると、藤麻さんはわたしの唇を塞いだ。
部屋でした軽いキスとは違って、口内に舌が入り込んでくる。

優しく溶かされていくようで、目眩がしそう。
甘く絡まる舌に翻弄されて体も火照ってくる。

離れるとき、わたしの濡れた唇を見つめて軽く舐めた藤麻さんが色っぽくて、それだけで体温が上昇した気がした。

「正直、元カレのことで悩んでる友野さんがじれったくて仕方なかった。俺が笑顔にしてやりたいって強く思っていたんだ」

キスの余韻でぼうっとしているわたしを、彼は切なげに見つめてくる。
彼の今までの優しさは、そういう想いからくるものだったんだ。

「夢じゃないですよね……」

「お互い気持ちを言ってキスもしたのにまだそういうことを言うんだから、しょうがない、もう一度言うからな」

少し呆れたような笑みを浮かべながらも、藤麻さんはわたしの頭を撫でて穏やかな声を出した。

「好きだよ。俺と付き合うよな?」
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