遠い昔からの物語
早く外に出ないと、防空壕へ逃げ込まないと、命が危ない……
頭でいくらそう思っていても、一歩も踏み出せないどころか、身を起こすことすらできなかった。
どうしよう……このままでは……わたし……本当に……本当に……死んでしまう……
そう思えば思うほど、私は土間の上で、どんどん小さくうずくまっていった。
けたたましく鳴り響くサイレンの音が、意気地なしのわたしを、容赦なく責め立てた。
情けなくて、情けなくて、もう……
こんなわたしなら、このまま死んだ方がいい、
と思った。