遠い昔からの物語
「うちの両親が、きみに会いたがってるのは、それもあるんだけどね。
……今頃、うちの親父ときみの伯父さんが、話を詰めてるかな」
なんの話だろう。
「もちろん、東京のきみのご両親のご意向も伺わなければならないが」
わたしは彼を見上げた。彼もわたしを見つめた。
「僕が無事還って来たら……きみをもらうことになると思う」
わたしの目が、大きく見開いた。
「もうちょっと早く出会っていれば、もっとちゃんとした形で出征できたんだけどな」
彼は残念そうに顔を顰めた。