遠い昔からの物語

彼はわたしの乳房の片方を大きな手のひらに包み込んだ。

そして、もう片方には口をつけ、貪るように吸った。

わたしの身体(からだ)の芯が、カッと熱くなった。
火が放たれたみたいだった。

「……ぁあ……」

思わず、わたしのくちびるから、今まで発したことのない甘い声が漏れる。

それから彼は、お腹の辺りまで下げたシュミーズを、ズロースごと一気に足元まで()り下ろした。

彼のために作った、弾除けのお守りに入れたもの(・・)が、姿を見せる。

それは、(ほの)暗い電灯の下、夜露に濡れたように艶やかな光を帯びていた。

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