遠い昔からの物語

やがて寬仁は、わたしの太腿を掴んで、ぐっと引き上げた。

そして、その中心に分け入って、少し乾き始めていたところへ、指を滑り込ませた。

「ぁあ……っ」

わたしは思わず、身をよじった。

だけど、寬仁はそんなわたしに一向構うことなく、探り当てた奥へ指を差し挿れる。

「うっ……っ」

電気が走ったかのような痛みが走り、わたしは顔を(しか)めた。

それでも、寬仁の細長い指の動きは止まらない。

やがて、だんだんとそこ(・・)が、淫らな音と共にまた濡れそぼっていくのがわかった。

< 220 / 230 >

この作品をシェア

pagetop