遠い昔からの物語

やがて、文字通り精力を使い果たした寬仁は、寝息を立てて眠りだした。

わたしはおもしろがって、彼の頬っぺたをつんつんと突いてみたり、鼻をつまんだりしてみた。

でも、寬仁は少し気だるそうに顔を動かしただけで、起きようとはしない。

どうやら、一度眠りにつくと、なかなか目覚めない性質(たち)らしい。

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