遠い昔からの物語

いつか、いつか、と思っていたら、今日が五日だったということに気づいて、一人で少し笑った。

さあ、わたしも、そろそろ眠ろう。

隣ですやすやと、まるで子どものように眠る寬仁を見つめた。

わたしはもう、この人の妻なのだ、と思うと、はち切れんばかりの嬉しさが、心の底から湧き上がってくる。

先刻(さっき)、寬仁がわたしにしてくれたように、今度はわたしが眠っている彼の頬に接吻をする。

わたしは、明日、世界で一番しあわせな花嫁として、朝を迎えるのだ。







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「遠い昔からの物語」
第三部 「いつか」〈 完 〉
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