遠い昔からの物語
さくら、さくら
昭和十六年、夏。
海軍士官 間宮 義彦中尉は爆撃機のパイロットとして日夜訓練に明け暮れていた。
そんな中、突然、三日間の休暇を賜ることになり、すぐさま婚約者の佐伯 廣子を呼び寄せる。
初めは廣子の姉との見合いのはずだった。
思いがけず妹の廣子が見合いの相手となり、あわただしく決まったかのように見えた婚約だが。
実はそうではなかった……