遠い昔からの物語

昨夜は、初めて男を受け入れる廣子のために、たっぷりと愛撫をして濡らしてやってから臨んだつもりだったが、痛い思いをさせてしまった。

今日は、いきなり突き()れる前に、まず指だけを廣子の胎内(なか)へ押し挿れ、抜き差ししてみた。

「……うっ……」

廣子が切なげな声をあげた。

「……また、()しるんか」

おれは心配になって訊いた。

「もう……ちいっとも……()しらんけぇ……」

うるうると潤んだ目でおれを見上げて答えた。

廣子の胎内(なか)は思ったよりもずっと狭かった。しかもよく締まった。

現に今も、おれの指がきゅううぅ、っと吸いつかれている。

男にとってはありがたいことだが、これでは痛いはずだ。おれは他の奴よりでかい方だから、猶更(なおさら)だ。

廣子にはいずれ、わしの子を産んでもらわねばならんが、ここを通るときにはさぞかし難儀するだろう。


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*はしる ー 電気が走ったような鋭い痛み
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