遠い昔からの物語

おれは廣子の左脚を右肩に掛け、さらに深く押し込んだ。

そして、何度も何度も突き上げる。

廣子はおれの動きにあわせて上下に揺れた。

つられて、その(こぼ)れそうな乳房も、上へ、下へ、と揺れる。

「……あぁっ……ぁはっ……ぅうっ……はあっ……ぅう……っ」

昨夜は聞けなかった淫蕩な声が、廣子の愛らしい唇からあふれ出た。

「……えぇんか……気持ち、えぇんじゃろ……」

おれは動きを少し緩め、腰を「の」の字に回しながらに廣子に訊いた。

「……夕べは……あがぁに……()しって……(にが)る思い……しとった…のに……」

廣子は息も絶え絶えにつぶやいた。

「……うち……このまま……気ぃ、(ちご)うて……しまう……かも…しれ…ん……」


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*にがる ー 耐えがたい重い痛み
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