＊Dear……＊～ハイスペック男子と甘いLove Storyを～

膝の上に置く手を強く握り締めて必死に耐えるけれど、手の甲に涙がポタポタ滴り落ちてしまう。


｢……ごめん！ 美愛言い過ぎた。ごめん！ ほんとにごめん｣


姉御は、私の右にすっ飛んで来て慌てて抱き締めてきた。

そのあたたかな温もりとふわり香る優しく爽やかな香りに安心感を覚える。

……先輩の腕の中も物凄く心地よかった。

ドキドキも凄かったけど。

……ヤバい、次から次へと涙が溢れ出す。


｢わかってる……そんなの私が、一番に。……でも怖い……。四年も付き合ってたのに今更一人になって、また一から恋人関係築き上げるの……もうしんどい｣


姉御は、泣きながら必死に声を絞り出す私の背中に手を当てて、何度も謝りながら擦り続けてくれた。

そんな姉御の女らしい肩に頬を寄せると、類の肩はもっと逞しくて男らしかったと気付く。

もう類とは、未来でなく過去しか浮かんでこない現実に、ますます涙は溢れ出し、悲しくて寂しくて堪らない私だった。