*Dear……*~ハイスペック男子と甘いLove Storyを~
松岡君の背後で両肩をポンして交代しようとするけれど、頑として譲らない彼に諦めて私も座る。

そしてプリントアウトされた作成書をチェックしていく。


……なかなか良く出来てる。

帰りの新幹線で案だけまとめておいてよかった。

ひとり寂しく帰路で本当よかった。

遊び心がないのは残念だけどそれは我儘すぎ。

こんな時の為に、百均でウェディングシール買っといてよかった。


「打ち合わせ済んだら上で何でも奢るからね」


「いいっす。俺、女性に奢ってもらうの嫌いなんで」


……三人の新人の中で一番生意気な分、仕事も出来る彼。

もう教育係も卒業かな…… 嬉しいような寂しいような複雑な気分。

我が子の成長を見守る母親は、きっとこんな気分だと毎年思うけれど、今年は過去最速だわ。
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