*Dear……*~ハイスペック男子と甘いLove Storyを~
「課長、私が三人分の十五周走ります」


「……どうした? ぬるま湯専門の綾瀬が熱くなって。レアなタイミングに来たな~」


うるさ~い、大西。

さっさと仕事に戻れー!

私は、この理不尽な状況と迫り来るタイムリミットに加え、大西課長のチャチャにイライラが頂点に!

一気にぶち壊したい衝動が走り、強制終了を選んだ。


「それでいいですね」


「……チーフが、納得したなら」


それでも必死に微笑み続ける私に、椅子にふんぞり返り鼻で笑って言い放つ鬼濱に呆れ果ててしまう。

……課長の大人げないのが一番の原因でしょう?

でも歳が絡んだ課長ほど厄介者はいないと、よーくわかっている。

正攻法が通用しないことも。

……あ! 更なるトリセツ思い出した。

課長って瞬間湯沸し器だったと。


「納得は、してません。課長が、火付け役でなく火の粉を受けた者に大やけど負わせて納得するわけがないです。けど課長は、これで納得して三人を無罪放免にして下さい。三人だって全く悪気ないですし課長も約束の時間です。悪いけど松岡君、私が戻るまで進めといて」


私が、次のお客様の資料を託して歩き始めると、大西課長に後ろか慌てて腕を引かれた。
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