*Dear……*~ハイスペック男子と甘いLove Storyを~
「綾瀬落ち着け」


いつもは冷静で滅多なことには動じない大西課長も、久々の鬼濱出没に戸惑いを隠せないよう。

でもすっかりクールダウンした私は、再び私の手首を掴む大西課長の手を、笑みを浮かべて離した。


「私は、落ち着いてますよ。課長こそいつまで油売ってるんです?昔もふと消えては、女子とイチャ
イチャ……ねぇ? 濱田課長」


「は!? 俺が、歩いてると勝手に来るんだよ。それをお前、ナンパ野郎呼ばりしてさ」


帰り早い時は、しょっちゅう出掛けてたくせに。

確かに誘うのは、女子からだったけど。


「懐かしい~。確かに消えてたし、マジ走ったバカは大西くらいだ。昔、綾瀬のやらかしにマジ切れした時、教育係りの大西が代わりに行ったから綾瀬が見習うんだ。……大西のせいじゃん。あんた行きな。綾瀬は、これから大事な打ち合わせ。はい、一件落着」


待ってました!

瞬間湯沸し器の課長は、ぬるま湯になるまで話をそらすのが一番て事、大西課長すっかり忘れてますね。

大西課長は、余りの無茶ぶりに空いた口が塞がらないといった様子。


「はい一件落着。大西課長よろしくお願いします。では」


私は、深々と頭を下げて、すっかり和んだ部屋をそそくさと後にしていった。
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