*Dear……*~ハイスペック男子と甘いLove Storyを~
……うるさい……誰?

何度も鳴り続ける「ピンポーン」の音に再び眠りから覚める。

でもとても出る気力も体力もない。

もう誰でもいいから助けて!

祈りを込め必死に体を起こそうとするけれど、やっぱりダメ。

頭が、クラクラしてどうしようもない。

冷たいマットに横たわったまま、辛くて苦しくて目尻から悲しみが流れ落ちる。

……電話……とにかく誰かに……。

目の前にある鞄から手探りでやっと携帯を取り出し開いた画面には、サロンスタッフと海斗先輩の名が表示されていた。

みんな心配してるかな…… 挙式前でドタバタのはず。

……先輩…………会いたい。

火照った顔に幾筋もの涙が流れた時、玄関からドアを叩きながら私の名を必死に何度も呼ぶ先輩の声が聞こえてくる。
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