*Dear……*~ハイスペック男子と甘いLove Storyを~
*お帰り下さいの世界~お帰りなさいの世界リターン*
目を覚ますと、部屋の中はすっかり暗闇と化していた。

目を凝らして枕元の目覚まし時計を見るともう十七時。


「起きた?」


声のする左ベッドサイドの方に顔を向けると、うっすら先輩の顔が見えてくる。


先輩……まだ居てくれたの?

……お粥のいい匂いもする。

嬉しい……凄く嬉しい!

でも会社は、大丈夫?


「途中また俺も寝ちゃった。やっぱ美愛ちゃんの寝顔は、癒しの寝顔……凄い可愛い。……どう? 少しは、楽になった?」


はっきりとは見えないけれど、柔らかな笑みと声に優しい風に包まれたように心が癒される中、この左手を貝みたく包み込む温もりに気付いた私は、その大きな手を一回り小さな右手でそっと包み返す。


「頭痛がかなり治まった分、楽になってます。ありがとうございます。ずっと付いててくれたんですね」
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