*Dear……*~ハイスペック男子と甘いLove Storyを~
「……ですね。例の企画どうでした? ……課長?」


「……通ったよ。今度こそ奢る」


「おめでとうございます。さすがですね。そう言ってゴチになったこと一度だけですが……。しかし摩可不思議。結婚に……何でも」


ヤバヤバ!

課長に結婚願望ないことマル秘だった。

モテなくなるからって口止めされてるんだよね。

長身の課長を口を抑えて見上げると、数秒ジーっと何か言いたげに見下ろしてくる。

でもすぐに私の目の前に歩み寄りスッと大きな体を折り曲げ、目の前から綺麗な二重瞼の大きな瞳で覗き込み、私の手を唇から外す。

すぐに男らしいシトラスの香りと僅かな体温を間近に感じた私の胸は、特大のドキッ!

音無き鼓動が体中に響き渡り、一瞬で顔が染まるのを感じながら目をそらし距離を置く。

びっくりした……

キスされるかと勘違いしそうな目するんだもん。

朝から心臓に悪い……。


「綾瀬だけに解禁。俺、結婚も悪くないって思うようになった」


そして左耳からの吐息混じりの囁やきに、ますます心音が早まるのを感じる。

……マジ!?

サロン時代、なぜか自慢気に生涯独身宣言してたのに……。

課長は、驚いてガン見状態の私の火照った頬をいきなり摘まむと、フッと口角と手をを上げて行ってしまった。
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