*Dear……*~ハイスペック男子と甘いLove Storyを~
出発してから軽く五分以上経過しているというのに行き先さえ聞くこと出来ずにいる私は、まさに借りてきた猫。

緊張したままチラッと横目で左側の先輩を見る。


……怒ってる。

間違いなく怒っている。

今ここに百人の人がいたら、必ず全員が先輩のことを怒ってると思うに違いない。

……課長とのことだよね?

いったいどこから見てたの?

キスされそうになったところは、確実に見られてる。

もう信じられない……あんな所で。

普段は、理性的な課長のあんな姿初めて。

あんな所で理性がぶっ飛びする程、私を好きでいてくれるの?

五年間ずっとなんて……切なすぎて胸が痛い。
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